研究課題/領域番号 |
12680283
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教科教育
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研究機関 | 昭和女子大学 |
研究代表者 |
緑川 日出子 昭和女子大学, 文学部・英米文学科, 教授 (10245889)
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研究分担者 |
高梨 庸雄 弘前大学, 教育学部, 教授 (10113812)
GORDON Robson 昭和女子大学, 文学部・英米文学科, 教授 (90195917)
小野 尚美 昭和女子大学, 短期大学部・英語英文学科, 助教授 (10259111)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 語彙 / 文構造 / 自動化 / ボトムアップ・ストラテジー / トップダウン・ストラテジー / 読解前活動 / 読解 |
研究概要 |
本研究は、日本人大学生英語学習者を被験者として、読解ストラテジーとリーディング学習歴の調査、及びリーディングにおける認知過程の分析により、言語処理能力を高めるためのリーディング教材モデルの開発と指導法改善への示唆を得ることを目的とした。全国4大学の被験者301名に読解ストラテジー調査と英語能力テストを、その内36名を任意抽出して、2種類のテキストを用いて読解過程の精査な調査を行なった。その結果、読解力上級者は、平易なテキストであれば背景知識や推察等のトップダウン・ストラテジーを使って読解し、テキストの難易度が上がれば和訳や音読等のポトムアップ・ストラテジーを用いて読解すること、初級者は、語彙や文法に躓いてトップダウン・ストラテジーが使用できず読解もできないこと、中級者は、最も多くのストラテジーを用いるが、それが読解には繋がらない傾向にあると判明した。日本人大学生英語学習者の読解の躓きは、語彙や文法等が自動化されていないために、トップダウン処理ができず読解ができないのであろうという結論に達した。 ここから、読解の躓きを除去して言語処理能力を高める教材では、読解の準備段階で語彙と文法の障害を取り除くための活動を十分に行なわせるべきだという考えの下に孝躰オモデルを試作した。これを本研究の禰賭136名に約3ヶ月の使用実験と、その効果測定のために、語彙力、読解力の実験前、後試験を行なった。その結果、被験者の語彙力、読解力の向上が統計によって明らかになった。統制群なしという研究方法論上の問題は残したが、語彙と文法の練習問題が読解を助けたことは数値的にも十分推察できるものであった。 大学生の英文読解の躓きは、高等学校までの音読や辞書に頼った和訳中心の学習習慣にあるがインタビューによっても明らかになり、大学生の読解能力向上には、まず高等学校までの段階で、語彙や文法を自動化して読解ストラテジーを効果的に使うことができることを目指したリーディング指導とそのための教材開発が不可欠であるという結論に達した。この研究の知見を生かし、本研究グループは、高等学校のリーディング指導法改善と教授法とモデル教材開発研究の準備中である。
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