研究概要 |
聴覚障害幼児の手話スキルの獲得と日本語の読み書き能力の獲得との関係を分析するために、以下の分析、検討を行った。 1,聾学校幼稚部の教室での教師や他の児童とのコミュニケーションの様相をビデオに撮り、その分析から、両親が聴覚障害者である4歳の聴覚障害幼児2名、両親健聴者である4歳の聴覚障害幼児1名、および対照児として両親健聴者で2歳の健聴幼児1名を選択。(対象児は年齢をずらして逐年的に増やしていくことを検討中) 2,上記の幼児の教室内でのコミュニケーション行動と、家庭で家族とのコミュニケーションの実態を3ヶ月間隔でビデオに撮り、彼らのコミュニケーション行動を、コミュニケーション・モード、語彙、文構造、のほか語用論的観点からの分析を行っているが、継続的な分析を行うため、広範囲な資料を集めると同時に、分析の観点を検討している。 3,幼児の手話スキルの評価を行うため、語彙、文章、評価場面(絵画提示)での評価項目を選択。テスト項目の選定を行った。 4,語彙力、読み書き能力の評価については、絵画式語彙検査、読書能力検査を中心に評価法の検討を行っているが、最終的な評価法の確定までには至っていない。 5,両親が聴覚障害である聴覚障害幼児のコミュニケーション行動は、口話法を主体としている聾学校幼稚部教室内と、家庭内とでは大きく異なる。この両者のコミュニケーション行動が類似している事例も対象者に含める必要があり、対象者の選択を進めている。 6,次年度は対象児の資料を蓄積すると同時に、評価方法を確定し、必要な対象児の補充を行ない、認知能力、手話、日本語の読み書きの関係分析の入りたい。
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