「日本語学習における漢字学習活動の研究」について平成12年度は以下のような活動を行った。 1)日本語学習教材における漢字学習活動の収集 日本国内で市販されている日本語学習者用の漢字教材について、練習部分でどのような学習活動を想定しているかについて再分析を行った。ほとんどの教科書では、漢字にふりがなをふる、読み方から漢字を書くという活動が圧倒的に多く、漢字使用場面を想定し記憶の精緻化をもたらすような活動は少なかった。 2)日本語教師に対するインタビュー調査 漢字学習活動調査のための質問紙を作成するに先立ち、日本語教師に対して授業においてどのような学習活動を行っているかについてインタビュー調査をした。教師の意識は練習よりもいかに説明するかに向けられていることが多い。また、辞書をどのように使わせるか、自律学習をどのようにさせるかについての模索が見られる。 3)授業場面の記録 2)のインタビューを裏付けるために授業場面をビデオ撮影した。詳細な分析は未完了であるが、学習活動の時間配分について個人差が見られる。 4)漢字学習活動調査質問票の作成 1)2)3)に基づき、日本語教育現場における漢字学習活動の実態を広範囲に把握するための質問紙を作成した。この調査は平成13年度に実施する予定である。
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