研究概要 |
先行研究「外国人学習者の月本語ワープロ誤入力の分析と外国人用漢字変換辞書の開発」(平成9〜11年度No.09680296)でえられた、外国人学習者が日本語をキーボード入力する過程をビデオテープに記録したデータを409名分までふやした。入力完了文字数合計約156,000字(平均383字)、入力時間合計約192時問(平均約30分)、入力者の母語40種以上である。テープを再生して、キーボード入力の変更を発見した場合、「変更前テキスト」「消去テキスト」「変更後テキスト」「時間」を記録して「提供者番号」「在日歴」「母語」をラベルづけして1件のデータとし、データベースを作成した。これを変更の種類によって分類してラベルづけした。提供者がひとつの質問の回答を変更せずに一気に入力した場合は、「変更なし」の事例としてデータベースにくわえた。データ数は全体では合計約24,000(提供者ひとりあたり平均60)で、合計約48,000字(提供者ひとりあたり平均約120字)(この項目は集計が完了していないため推定値)が消去されている。データの過半数は、キーのミスタッチの訂正だが、約7,000のデータは文法面からの分析に使用することが可能である。すなわち、助詞の変更や動詞の接続の変更など、提供者の日本語作文のストラテジーを研究するための基礎データとなりうるものである。 このデータベースを試験的に利用して、助詞「は」と「が」の変更および副助詞「も」の変更について分析した結果を発表したが、データベースの本格的な利用はこれからである。 また、先行研究を継承した音韻面からの分析も、データがふえたことによって精度があがり、研究を続行している。
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