この研究の目的は、留学生センターで初めて日本語を学ぶ国費研究留学生が、来日直後から授業開始までの間に、日本語学習へのレディネスを高めるため、日本語を自律的に学習できる学習リソースを開発し、評価することである。ここでいう「レディネス」とは、来日後に参加する日本語コースへの学習準備態勢を指す。また「自律的」とは学習者が主体的に学習に参加する状態を指し、「学習リソース」とは、学習を成立させる学習環境(マルチメディア、印刷教材、ビデオ教材、音声教材等の物的資源、学習を支援する人的資源、キャンパスや事務室等、学習者が参加するコミュニティーとしての社会的資源の3つ)を指す。この研究では、来日直後からコース開始までの2週間を学習者の自律的学習期間として確保し、学習リソースの開発及び評価を2年間で行う。 本年度は、2週間の学習リソースの内容を選定し、物的リソース制作のための資料(ビデオや、音声、写真)を作成した。それをオーサリングソフトで編集し、来年度4月に来日する学生に対し試用するための試作版を制作した。 具体的には、まず、学習リソースとして、「挨拶」「自己紹介」「買い物」の3場面を選んだ。そして、物的リソースための資料として、各場面のビデオ素材、コンピューター用アニメーション素材、音声素材を制作した。それらを、平成13年度4月に試用し評価データを得るためのコンピュータソフト及びビデオ教材の制作を行った。
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