研究課題/領域番号 |
12680309
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本語教育
|
研究機関 | 京都大学 (2002) 鹿児島大学 (2000-2001) |
研究代表者 |
ロバート ファウザー 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (00278483)
|
研究分担者 |
ロラン マリージョゼ 高千穂大学, 経営学部, 助教授 (90257808)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
キーワード | 社会言語学 / コミュニケーション学 / エスノロジイー / 日本語教育 / 社会・文化多様性 / 意味の社会的構築 / 外国人就労者 / 労働観 |
研究概要 |
本研究は、外国人就労者からの常に強いニーズがある社会・関係調整能力の問題に関して、エスノグラフィー及び社会言語学の視点を導入し、言語・コミュニケーション環境を把握するための研究手法のフレームワークの作成を目指したものである。 まず、平成12年度において予備調査を行った。次に、そこから得られたデータを平成13年度において分析し、Web出版するための基本的な実験を開始した。研究代表者(ファウザー)は研究全体を統括し、研究分担者(ロラン)と共同で、エスノグラフィー・社会言語学的手法を用いた研究手法のフレームワークを作成した。さらに平成14年度では、これまで得られた成果をエスノグラフィー・社会言語学の手法で記述・分析すると同時に日本語教育機関にその成果を提供した(http://yuldo.net/fouser/kakenreport.htmを参照)。研究は概ね計画通りに進行し、その結果、大まかに言えば次の3点の知見が得られた。 (1)日本語教育において行ってきた社会・文化・コミュニケーション又はその近接テーマの多様な研究においては、概念的フレームワークを立てるためのエスノグラフィー及び社会言語学的アプローチが必要である。 (2)エスノグラフィー及び社会言語学的研究のフレームワークは、科学的日本語教育の概念化、社会におけるコミュニケーションや異文化間コミュニケーションの研究に貢献できる。 (3)日本語教育には、社会言語学やコミュニケーション論の援用並びに術語の背後にある概念を分析することが重要である。 この研究は日本企業や機関において活動する外国人就労者あるいは多方面で活躍する外国人の関係調整能力に関する研究のフレームワークを提供した点で、問題解決に寄与することができた。さらに、このフレームワークは、日本のみならず外国人の労働力が流入する国における同様の問題を探求するのにも適用でき、価値あるものとなったと考える。
|