平成12年度は牛乳カテゴリー、平成13年度は牛乳以外のカテゴリーに関して、日次POSデータのデータベース構築とそのデータ解析の研究を実施した。平成14年度は特に「海外ブランドと国産ブランド」、「プライベートブランドとナショナルブランド」の対比を個別のテーマとして研究を実施した。 データベースの構築 平成13年度では1994年〜1995年のPOSデータに加えて、全国の100以上の店舗における1996年〜2000年のPOSデータを購入した。これは膨大な量のデータファイルとなっており、任意の商品カテゴリーの日次POSデータを時系列化できるように、プログラムを作成し、さらに店舗タイプ、店舗所在地の地域特性、駐車場の有無など店舗に関する属性のデータベース化を行った。 POSデータの解析 牛乳カテゴリー:牛乳カテゴリーについて価格データと販売量データに関してPOSデータの特性を検証した。その結果、多くの商品について価格反応関数の非線形性(S字型)、データの分布が途切れるセンサーデータ、棚に置く個数を企業が決定することによる曜日変動の存在が判明した。 その他カテゴリー:パスタに関してリピート購入する商品(国産ブランド)とプロモーション時にのみ購入する商品(海外ブランド)ではプロモーション効果の時間的遅延反応が異なることが判明した。マヨネーズ、パスタ、インスタントコーヒー、ポテトチップス、バター、マーガリン、粉末の紅茶についてはプライベートブランドとナショナルブランドの対比に関して同時方程式を用いて分析を行った。
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