研究概要 |
本年度(平成13年度)の実施計画に従って研究を進め、およそ以下の様な研究成果を得た。 1.集中分布のモデルの比較検討の研究 負の2項分布、Polga-Aeppli分布、NegmanタイプA分布について、平均m、正の値をとる確率S、及び集中度指数θの間の関係を調べた。得られた結果は3つの分布に共通のものであり以下にその主なものを記す。 (1)固定されたmに対してSはθの単調減少関数である。(2)固定されたθに対してSはmの単調増加な凹関数である。(3)固定されたSに対してmはθの単調増加な凸関数である。 2.PAS(presence-absence sampling)における見落としの確率についての研究 生物(卵)がいる(ある)時の観測をU=1で、いない(無い)時の観測をU=0で表わす。実際の生物(卵)の数をEで表わし、その確率分布は負の2項分布NB(m, k)とする。 (1)P(E>0|U=0)=1-(k/kTm)^k/1-a+a(k/kTmw)^kが成立し、これは1/kの単調減少関数である。ここにP(U=l|E=x)=a(1-e^<-bx>), w=1-e^<-b>である。 (2)N個の素区画のうちn個をサンプリングし観測した生物(卵)の数がもしy_1=…=y_n=0を満たす時U=0,その他の時U=1と定義する。N個の素区画における生物(卵)の数EについてP(E>0|U=0)=1-(k/kTm)^<k(N-n)>(kTmP/kTm)^<kn>を得る。特にP=1のとき,これは1/kの単調減少関数である。
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