研究概要 |
本研究は平成12年〜14年までの3年間の共同研究の成果である。 本年は、研究論文5編のうち、最新の2編を完成し、シンポジウム「ノンパラメトリック統計モデルの推定と平滑化法」において発表し、その論文を簡単に述べておく。 (1)「Density estimation with Percentiles(小暮,寒河江(2002))」では、等パーセンタイルに分けられたデータに基づくヒストグラム推定を考えた。従来、バイアス評価値が正規分布に従うデータであっても漸近的に発散する。つまり、バイアスが実際にはかなり増大する推定量である。そこで、ビンデータにカーネル関数を用いてバイアスの増大を押さえるビン型カーネル推定量の性質を調べた。 (2)「A New baud width selection for kernel density estimation based on Method of Moments and smoothed bootstrap method reconsidered」(寒河江,米山(2002))では、バンド幅パラメータをモーメント法によって決める方法を提案した。この推定された密度関数に基づく標本変量のモーメントは母集団の標本モーメントと等しい性質をもつ。一般にMISE等の最適基準に基づく推定法では、モーメントに関する上記の性質をもたない。この方法で推定された確率密度関数からのリサンプリングはsmoothed bootstrap法になるが、標準的なbootstrap法と似た性質をもつことが明らかとなった。
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