研究概要 |
平成12年度の研究実施計画において、 1.リモートセンシングデータに基づく植物の生態分布のechelon構造分析 2.大容量データに対するechelon構造分析 3.都道府県データに対するechelon構造分析 について重点的に取り組んだ。 1.については、東京都心における緑地と人口密度の空間構造とそれらの関連について調べた。緑地データは、ランドサットTMデータのバンド3と4に基づくNDVI値、人口データは、国勢調査の第3次地域区画における人口数を利用した。ランドサットデータは位置に関する幾何補正を行なった後、ピクセルのグループ化を行い人口データの矩形領域に適合させた。Echelon解析の結果、(1)山の手地区、(2)山の手地区から7km未満(環状8号線内)の住宅地区、(3)郊外地区、の3地区でその構造が大きく異なり、山の手地区から7km未満の住宅地区において、人口数と緑地に強い相関が示された。さらに、人口の過疎及び緑地のピークはともに皇居及び代々木公園を中心とした山の手地域内と西部の多摩川流域にあることや東京都心における人口の過疎及び緑地の全体的な位相構造が示された。これらの結果はCommunity Ecology誌に掲載されるとともに、結果の一部はechelon解析の解説とともに著書の中で公表されている。 2.については、リモートセンシングデータのような大容量データの解析を行うため、echelon treeをlimbとboughに階層的に分解し、これら値に基づく4つのプロフィールdivergence,scope,bunching,stackingの定義した。また、具体的なリモートセンシングデータに対して4つのプロフィールに基づく構造分析を行い、バンフの国際会議で公表した。 3.については、各都道府県の隣接情報を与えることによって、echelon dendrogram等を構築すると共に、都道府県別人口及び日本酒の消費量データに基づきこれらの位相的な構造の把握を行った。これらの結果は、第7回日中統計会議において公表された。
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