研究課題/領域番号 |
12680316
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
栗原 考次 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (20170087)
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研究分担者 |
垂水 共之 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (50033915)
田中 豊 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (20127567)
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キーワード | 空間データ / 地域データ / 地理データ / echelon解析 / 分割表 / リモートセンシング / クリギング |
研究概要 |
平成13年度は、1.地域データに対するechelon構造分析、2.分割表データに対するechelon構造分析、について重点的に研究を行った。 1.地域データに対するechelon構造分析 対象とする地域がいくつかの区画に分割されている場合、データが区画内全体で得られる時は、区画間の隣接情報に基づきechelon解析が行えることは平成12年度の研究で報告した。しかし、区画内の特定の地点でデータが得られる場合は、区画間の隣接情報ではなく、地点間の距離に基づく近隣情報でechelon解析を行うのが適当である。具体例として、North Carolina(NC)州の100区画(country)における乳児突然死数データに対して、1)区画内全体、2)区画の中心点、においてデータが得られると仮定した場合のNC州のデータ構造を比較した。さらに、地点データと仮定した場合にクリギングなどの手法を用いてNC州内での補間を行い、等高線に基づくechelon解析を行った。これらの結果は、平成14年8月にニューヨークで開催されるアメリカ合同統計会議における招待講演で公表される。 2.分割表データに対するechelon構造分析 空間データは特定の位置や領域で観測されたデータであるが、これらの位置や領域は空間的に連続な場合を想定している。2×2の分割表において行や列は連続的ではないが、行や列が順序尺度で与えられる場合は、空間データとみなせechelon解析が行える。具体例として、岡山県の交通事故による死亡者数を、年齢と事故死した時のスピードで分類した分割表に適用した。年齢は10歳単位で層別、事故当時のスピードは自動車、二輪車、自転車、歩行者のスピードの順に層別し、(若者、自動車)、(老人、歩行者)、(幼児、歩行者)の大きなピークを見つけるとともに、交通事故死データの構造分析を行った。この結果は、第53回国際統計会議において公表された。また、echelon解析の手順および空間データ及びリモートセンシングデータの構造分析の方法は、著書「データの科学」の14,15章において、30ページを割いて日本で初めて詳細に公表された。
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