研究概要 |
平成14年度は、1.地域データに対するechelon構造分析とホットスポットの検出、2.分割表データに対するechelon構造分析とホットスポットの検出、3.大容量デタに対するechelon構造分析、について集中的に研究を行った。 1.地域データに対するecheloh構造分析とホットスポットの検出 対象とする地域がいくつかの区画に分割されている場合、データが区画内全体で得られる時は、区画間の隣接情報に基づきechelon解析が行えることを示すとともに、具体的にNorth Carolina州の100区画(county)における乳児突然死数データに対して、echelonデンドログラムを作成した。さらに、この構造に基づいた空間スキャン統計量を計算することにより、種々の形状に対する有意に集積性がみられる地域(ホットスポット)を検出できることを示した。 2.分割表データに対するechelon構造分析とホットスポットの検出 分割表データの解析に空間構造を取り入れ、有意なセル群の検出を行う方法論について提唱した。すなわち、echelon解析により分割表の空間的な階層構造を求め、その構造に基づき空間スキャン統計量を計算することにより、有意に独立性から逸脱しているセル群を見つけだす方法を提唱した。 1,2の結果については、平成14年8月にニューヨークで開催されたアメリカ合同統計会議における招待講演で公表されるとともに、Environmental and Ecological Statistics誌において公表される予定である。 3.大容量データに対するechelon構造分析 リモートセンシングデータのような大容量データの構造分析を行うため、echelon treeをlimbとboughに階層的に分解し、これら値に基づく4つのプロフィールdivergence, scope, bunching, stackingの定義した。さらに、空間データの構造分析のために、特徴的構造をもつデータに対する4つのプロフィールの性質を調べ、平成14年7月に大阪での国際会議で公表された。
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