研究概要 |
3以上のカテゴリをもつ変数を反応とするようなデータに関して超過変動の処理に関して計算機集約的手法の適用について,その可能性について検討した。 昨年の研究にもとづいて,物理乱数生成装置から生成した物理一様乱数からベータ分布,二項分布を生成することにより,ディリクレ・多項分布のベータ・二項分布分解に基づいて,ディリクレ・多項乱数を生成することが可能になった。これによってディリクレ・多項分布の各種設定のもとでシミュレーション実験を行い,多項分布に基づくモデリングによる最尤法,その2次モーメントを利用した一般化推定方程式による分析,さらにディリクレ・多項分布での最尤法,さらに多項分布ベースのブートストラップ法,ジャックナイフ法の性能評価を行った。その結果,この設定のもとでも計算機集約的手法がディリクレ・多項分布ベースの最尤法と遜色ない性能を示し,さらにモデル指定のずれに関してもロバストな手法であることが確認できた。 なお,このシミュレーションによる性能評価の際には,複数の計算機システムを用いて計算機実験を行うことを試み,より効率的な分散並列計算の方法についても考察を加えた。 さらに,これらの計算機集約的手法をいくつかの文献データに対して適用することによって,現実場面でのデータへの適用可能性について検討した。この結果,ディリクレ・多項分布ベースの最尤推論ではデータへの適用が困難であっても,一般化推定法的式による方法,さらに計算機集約的手法ではデータへの適合が可能である場合があることが確認できた。
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