研究分担者 |
川崎 能典 統計数理研究所, 予測制御研究系, 助手 (70249910)
樋口 知之 統計数理研究所, 予測制御研究系, 助教授 (70202273)
田村 義保 統計数理研究所, 統計計算開発センター, 教授 (60150033)
佐藤 整尚 統計数理研究所, 予測制御研究系, 助手 (60280525)
|
研究概要 |
研究計画に基づき,今年度は統計的モデリングの基礎,発見的モデリングの方法,実データ解析への応用,ソフトウェア開発の4分野に関する研究を行った. 1.統計的モデリングの基礎的研究としては,従来の自己調整型の状態空間モデルを発展させ,ノイズの分布自体をオンラインで同定しながら,自動的にモデルを構成する方法を考案し,関連するフィルタリングおよび平滑化のアルゴリズムを導出し,実用性の検討をおこなった. 2.発見的モデリングに関しては,樋口はノード点の場所や個数を自動的に調整する統計的モデルによって,信号到着時刻を自動推定する方法を開発した.北川は反射波の伝播経路をモデル化して時空間平滑化を行う方法を研究した.北川と川崎はインフレ率予測誤差の分析に関連して,多数の経済共変量データの中から重要な変数を効率的に検出する方法に関する研究を行った. 3.実データ解析への応用に関しては,北川は海底地震計アレイで取得された多変量時系列に基づく地下構造の推定の問題、とくに反射波の検出の問題を研究した.樋口は多点同時観測された磁気データにおけるサブストームの開始時刻の自動推定法を開発した.川崎と佐藤は金融データのモデリングを試み,特に,モンテカルロフィルタを用いたマルチファクターモデルの推定法,high frequencyデータを用いた分析法などの研究を行った.これらの研究成果は関連する分野の国際シンポジウム,研究会等で発表した. 4.ソフトウェア開発に関連しては,これまで推進してきたWebを利用したソフトウェアの公開,計算資源の公開の方法を改良した.また,各個別分野への応用において開発してきた計算ソフトウェアを汎用化し,一般公開する可能性について検討し,次年度への準備を行った.これとは別に,統計数理研究所に新たにブートストラップマシンが導入されたので田村と佐藤を中心に,これを利用したモンテカルロ法や数値的最適化の効率的計算法の開発や並列計算の実装化のための研究をおこなった.
|