研究概要 |
平成12年度に開発した鳥の飛翔モデルに対して,直飛,波状飛,帆翔,急降下などの鳥の飛翔形態を表現するための拡張を行い,異なる鳥の特徴的な飛翔が表現可能であることをシミュレーション実験によって確認した. 飛翔制御法として,空間中に任意に配置された制御点を通過するように,鳥の行動を制御する手法を開発した.本手法では,上下左右の方向制御とバンク運動,および,はばたき振動数の制御を行うことにより,制御点を指定された順序で通過させることができる. さらに,鳥の群を表現する方法として,リーダ追跡型モデルとBoid型モデルを開発した.リーダ追跡型モデルは,群れのリーダを制御点に従って飛翔させ,その他の鳥がリーダを制御点とみなして追跡するものである.鳥同士が衝突しないように,接近した場合は互いに避けるようにしている.Boid型モデルは,Boidと呼ばれる群れの表現法を本手法に組み込んだものである.Boidでは,個体を移動させる移動ベクトルを生成し,それを,各個体に直接作用させるが,本提案モデルでは,鳥は,はばたきによる力のみによって飛翔しているため,移動ベクトルを直接鳥に作用させることはできない.そのため,各鳥ごとに動的な制御点を設定し,その制御点に対して移動ベクトルを作用させ,群れの飛翔を表現した.本手法によって,Pentium4 1.7GHz,ビデオカードにGForce3を使用したPCで約12羽の鳥のリアルタイム表示が行えることを確認した.
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