本研究の目的は、モーバイル・ユビキュタス、情報家電などの組込みシステム・システム・オン・チップの設計のための方法論とソフトウェアアーキテクチャを明らかにする。特に、(1)ハードウェアとのトレードオフ設計、特にマルチメデイアやネットワークのためのリアルタイム性の追求(2)(システム)ソフトウェアのファームウェア化とチップへの統合化、(3)接続性:モジュール化からインタネット接続にいたる透明性の確保、(4)拡張性。特に、コア化するものと拡張すべきものとその方法、を明らかにすることである。平成12年度および13年度に、SOC(System On Chip)ソフトウェアアーキテクチャの試作設計、SOCコアカーネルの試作、SOCコアカーネルのリアルタイム化、接続性を確保するためのプロトコルの設計を行った。最終年度である平成14年度は、(a)システムをオブジェクト指向、特に組込み用JavaVMとそのためのOSを用いてシステムを構築しSOCの基盤を検証、(b)接続性を確保する組込み向けのTCP/IPプロトコルの実装、(c)SOCを考慮したSMT(Simultaneous Multithread)/OCMP(On Chip Multi Processor)上でのシステムソフトウェアの検討、(d)リアルタイム性確保のためのスケジューラと組込みのための高モジュール化方式の提案と実装、などを方式の有効性を検証した。これらの研究成果を学会で発表するほか、依頼により展示会においても発表を行い、成果を公表することができた。上記の研究を通じ、目的とした(1)〜(4)について3年間研究を行い、SOCのためソフトウェアアーキテクチャを明らかにし、提案した方式の有効性を確認することができた。
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