研究概要 |
本研究の目的は,論理学における証明論の枠組を用いて,現実のコンピュータの機械語コードに論理学的解釈を与えることである.昨年度に引き続き研究を行い,所期の成果をあげることができた.研究実績の概要は以下の通りである. 1.機械語コードの解析の基礎の確立 機械語コードを静的に解析し,それと等価なより高水準の論理体型へ変換する方式を確立し,その成果を2002年度のEuropean Symposium on Programmingにて発表した. 2.機械語解析における論理学型理論の関係の解明 型理論的方法によって機械語の解析の研究を行っているAran Mycroftと共同で,本研究における論理学的方法と型理論との関係を解明し,2002年度のIEEE WCRE Workshop of Decompilation Techniqueにて発表した. 3.JAVAバイトコードの解析の基礎の確立 昨年度までの成果である機械語コードの論理学を,現実に広く使用されているJAVAバィトコードに応用し,その論理学的基礎を確立した.具体的には,JAVAバイトコードプログラムに対する証明システムを定義し,JAVAバイトコードに対するCurry-Howard対応を確立した.これによって,JAVAのバイトコードの検証が型推論の枠組みで行えることを確立した.この成果は,現在国際会議に投稿中である.
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