研究概要 |
平成12年度に研究開発を行った協創型3次元造形システムを基盤として,以下に示す技術の研究開発,評価,およぴ研究の総括を行った. 1.ネットワークを利用して協創型3次元造形システムによる協同造形実験を行った.情報専攻の学生から文系専攻の学生,一般の主婦や子供まで幅広い被験者を対象に実験を行い,本研究で考案・実現した造形法の有効性について実証的に検証・考察を行った. 2.1の評価実験とその検証に基づき,特に初心者や専門知識に乏しい利用者に対するより直観的で使い易いインタフェースの考案と実装を行った.このために,対話型進化計算手法を導入して,計算機が生成する様々な3次元形状に利用者が主観的な評価を与えるだけで新しいモデル形状が制作できる機能を実現した. 3.無線通信網を介したより柔軟な協同創作環境の提供を目的に,3次元スキャナで取得した実物の3次元形状を狭帯域な無線通信環境で効率的に転送・描画を行うための3次元モデル表現法,および動的に変化する通信網の物理形状をグラフィックスで可視化する機能を設計・開発した.また,陶器や遺跡物の3次元データを用いて開発手法の機能性および性能について評価した. 4.2および3の機能拡張を協創型3次元造形システムに統合化し,システムの利便性と有効性を定量的に検証するために主観評価実験を行った. 5.本研究課題の総括として4の成果をまとめ,平成13年10月に米国にて行われたIEEE SMC2001国際会議にて報告するとともに,電子情報通信学会論文誌に投稿した(平成14年3月に採録が決定).
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