リアルタイムビジョン実現のためのHough変換アルゴリズムの最適設計に関する研究

2000 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 12680356
• 研究機関: 愛知県立大学
• 研究代表者: 村上 和人 愛知県立大学, 情報科学部, 助教授 (10239486)
• 研究分担者: 成瀬 正 愛知県立大学, 情報科学部, 教授 (70285196)
• キーワード: Hough変換 / リアルタイム処理 / 特徴抽出 / 線分抽出 / 高速化アルゴリズム / 中心視・周辺視

研究概要

画像処理、画像理解における基本要素(プリミティブ)としての直線パターン、あるいは、それらの組合せで記述される複合図形パターンのリアルタイム抽出機構の実現を目的として、本研究では当初の研究計画に沿って以下の研究を行った。
(1)高速化アルゴリズムの開発
Hough変換を利用する際には、投票プロセスを必要とするため膨大な計算量となり、これがリアルタイム化の障壁となっていたが、本研究では、画像全体を直線検出対象とするのではなく、部分領域のHough変換結果を複合的に処理することにより、全体としての計算コスト削減を図った。また、パラメータ空間の分割数と精度の関係を明らかにし、処理速度の観点から最適化を与える指標を得た。
(2)特徴抽出機構の拡張
蓄積してきた要素図形の画像特徴抽出アルゴリズムをもとに、それらの組合せで構成されるパターンをHough変換平面上から抽出する方法について検討した。
(3)線分発見メタ処理機構の開発
中心視・周辺視といったヒトの視覚機能モデルを取り入れ、確度の高い部分情報をもとに大局的パターン検出を行うメタ処理機能の検討を行った。また、直線の表現形式について検討し、パターン平面上に存在しうる全ての直線パターン記述法について検討を行った。

研究成果

• [文献書誌] 加藤邦人,遠藤利主,村上和人,鳥生隆,興水大和: "エッジ点ランダム投票Hough変換RVHTの性質とその応用"電気学会論文誌C. 120-C巻12号. 1978-1987 (2000)
• [文献書誌] 冨永将史,押田昌大,山口剛,興水大和,遠藤利生,鳥生隆,村上和人: "Hough変換とK-L展開などを用いた顔部品認識の試み-似顔絵生成システムPICASSOの顔入力部自動化を目指して-"電気学会論文誌C. 121-C巻2号. 342-349 (2001)
• [文献書誌] Nagasaka,Y.Murakami,K. et. al.: "Potential Field Approach to Short Term Action Planning in RoboCup F180 League."Proc.of the 4th International Workshop on RoboCup. 249-254 (2000)
• [文献書誌] Murakami,K.and Naruse,T.: "High Speed Line Detection by Hough Transform in Local Area"Proc.of the 15th International Conference on Pattern Recognition (ICPR2000). 3. 471-474 (2000)
• [文献書誌] Murakami,K,.Tominaga,M,and Koshimizu.H.: "An Interactive Facial Caricaturing System Based on the Gaze Direction of Gallery."Proc.of the 15th International Conference on Pattern Recognition (ICPR2000). 4. 710-713 (2000)
• [文献書誌] Li,S.,Tominaga,M.,Kato,K.,Murakami,K.Koshimizu.H.and Hayashi,J: "Line Segment Detection by High Performance Digital Template Hough Transform DTHT."Proc.of IAPR Workshop on Machine Vision Application (MVA2000). 254-257 (2000)
• [文献書誌] 興水大和,村上和人,沼田宗敏: "最新コンピュータグラフィックスがわかる"技術評論社. 256 (2000)
• [文献書誌] 興水大和,村上和人 他: "実践画像処理"Springer(シュプリンガー・フェアラーク). 271 (2000)