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2002 年度 実績報告書

マルチエージェントシステムの動特性の解析と制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12680365
研究機関東北大学

研究代表者

木下 哲男  東北大学, 情報シナジーセンター, 教授 (20282006)

研究分担者 安久 正紘  茨城大学, 工学部, 教授 (10016462)
加藤 貴司  東北大学, 電気通信研究所, 助手 (20323115)
菅沼 拓夫  東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (70292290)
キーワードエージェント / マルチエージェント / 人工知能 / 分散システム / ネットワーク
研究概要

マルチエージェントシステムは、自律的に動作する複数のエージェントから構成される。システム全体としての機能や特性は、個々のエージェントの動作とエージェント間での相互作用を通して動的に決定される。しかし、これらは状況依存的かつ非決定的であることから、システム設計段階でシステム全体としての機能を規定したり、不都合な振る舞いを排除したりすることが困難となる。こうした性質は、マルチエージェントシステムの特徴として興味深いが、応用システム構築などの観点からみれば非常に厄介な問題を抱えることになる。
そこで、本研究では、マルチエージェントシステムの設計開発や運用を支援する新たな手掛かりを掴むために、マルチエージェントのモデルに基づくシミュレーション実験と具体的なマルチエージェント応用システムを利用して、システムの動的な特性の解析と制御に関する研究を行った。その結果、次のような知見が得られた。
(1)タスク割り当てに基づくマルチエージェント組織の形成において、各エージェントが協調相手に関する情報を保持・活用することにより処理効率が向上する。
(2)外界の情報に基づいて動作するマルチエージェント系において、当該情報を受信する際の適度な遅延がシステム全体としての処理効率を向上させる。
(3)マルチメディア通信サービスの応用システムにおいて、システム稼動状況の観測と制御に関する知識を内蔵したエージェントが実現可能であり、これによりサービス品質の変動に柔軟に対処するマルチエージェントシステムが構成できる。
今後、これらの結果を踏まえて、マルチエージェントシステムの動特性解析に関する研究をさらに推進・発展させると共に、マルチエージェントシステムの設計方法論、マルチエージェント応用システムの試験・評価、エージェントフレームワーク(マルチエージェントシステム構築・運用支援ツール)などを支える新たな概念や技術を開拓してゆく必要がある。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Suganuma T.: "A QoS Control Mechanism Using Knowledge-based Multiagent Framework"Proc. JAWS 2002, IEICE. 38-48 (2002)

  • [文献書誌] 菅沼拓夫: "ルール型マルチエージェントによるやわらかいビデオ会議システムの実装と評価"人工知能学会 知的教育システム研資. SIG-IES-A202-07. 39-44 (2002)

  • [文献書誌] 原田耕治: "進化型マルチエージェント系での遅延情報による動的適応過程の検討"信学会 2002年度総合全大 予稿集. D-8-26. 123 (2002)

  • [文献書誌] 原田耕治: "マルチエージェント系における遅延情報による適応進化"日本物理学会 第57回年次大会 予稿集. 57・1. 229 (2002)

  • [文献書誌] 加藤貴司: "主観的協調関係に基くマルチエージェントの動作特性について"信学会 2002年度総合全大 予稿集. D-8-22. 119 (2002)

  • [文献書誌] Katoh T.: "Dynamic Behavior of Multiagents with Subjective Cooperative Relation"Lecture Note in Comp. Sci. (Springer). LNCS-2344. 634-643 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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