研究課題/領域番号 |
12680367
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
粕谷 英樹 宇都宮大学, 工学部, 教授 (20006240)
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研究分担者 |
森 大毅 宇都宮大学, 工学部, 助手 (10302184)
木戸 博 警察庁科学警察研究所, 法科学第二部, 研究員
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キーワード | 声質 / パラ言語情報 / 非言語情報 / 日常表現語 / 個人性 / 記憶 / 多変量解析 / 聴取印象 |
研究概要 |
本研究では、平成10・11年度に受けた科学研究費補助金「萌芽的研究」で達成した成果に、さらに基礎的課題を研究し、「音声モンタージュ」の可能性について探求することを目的としている。 今年度は、これまでに抽出した声質表現語を用いて、聴取印象に関する各種の記憶実験を行った。この実験は、「はじめて聞く人の声であっても、人間は聞いた声質の情報をある程度の期間、ほぼ正しく保持できる能力を持っている」と言う大前提を確認することにある。本研究目的の成否を問う大きな意味を持つ。 聴取印象の時間的な記憶変化を声質表現語を通して調べる「再生実験」の結果、20日程度(今回実施した最長期間)の忘却期間内では、学習期に聴取した音声を思い出しながら評価する記憶評価と実際に音声を聞きながら評価する直接評価の間には、統計的な有意差は無く、時間と評価の変化にも関連は見られなかった。次に、学習期に聞いた音声と同じ話者の音声か否かを直接問う「再認実験」を行った。その結果は、「再生実験」と同様、時間的な記憶変化による話者の識別力の劣化は見られなかった。つまり、20日程度なら、人間は聞いた音声の印象をほぼ正しく保持していると判断できる。これは、「音声モンタージュ」実現の可能性を示す一つの根拠になるものと考えられる。 また、声質表現語の音響関連量についても調べた。一対比較の聴取実験を通して得た結果を重回帰分析したところ、かなり高い相関を示す結果が得られた。 来年度は、これまでに抽出した声質表現語に加えて、発話様式や聴取者の価値観を含む、パラ言語及び非言語特徴の適切な日常表現語の構築に焦点を置く。これらの言語特徴には、声質表現語とはまた違う個人性情報が含まれていると想像され、適切な日常表現語の構築は、本研究の今後の展開に役立つものと考える。さらに、声質表現語と同様に、音響関連量との関係も明らかにする。
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