研究概要 |
本年度の研究目的と研究実施計画に基づき以下の研究実績をあげることができた. 1.競合連想ネットの逐次的学習アルゴリズムを構築し.ワークステーションでシミュレーションを行うことによりその有効性を確認した. (1)競合ネットのための再初期化法をより詳しく検討し,ベクトル量子化ネットの学習アルゴリズムに組み込み,その有効性を確かめた.この成果は研究発表雑誌論文「Analysis of competitive and reinitialization learning for adaptive vector quantization」に発表した. (2)競合連想ネットの逐次的学習アルゴリズムをより詳しく検討し、音声認識への応用して性能評価を行った.この成果は研究発表雑誌論文「Cascading 1ayers of competitive associative nets and adaptive vector quantization nets for speaker independent word recognition」で発表した. 2.提案手法をシリコンウエハの洗浄システム(RCA洗浄システム)の温度制御に応用する研究を行った. (1)実用化するための準備として計算機シミュレーションによる動作確認を行った.この成果は研究発表雑誌論文「RCA洗浄システムの熱モデルと洗浄液の適応予測温度制御」で発表した. (2)さらにRCA洗浄への応用におけるより詳しい解析と性能評価を行い,その成果を「An analysis of competitive associative net for temperature control of RCA cleaning solutions」で発表した. また,以下の項目は現在、発表準備中の研究成果である. 1.競合連想ネットのさらに有効な学習法として漸近最適化の手法を考案した.この手法はネットのセル数を増やせば増やすほどより最適な学習が行われることを保証する手法であり,セル数を試行錯誤により決定する必要がなくなる.この手法をいくつかの応用例(降水量推定や時系列予測など)でその性能を検証し,非常に良い結果を得ている. 2.実際のRCA洗浄の実験は危険が伴うと同時に,環境温度や動作条件を同一にすることが難しく,再現性のある制御性能結果を得ることが難しい.そこで洗浄システムを計算機で模擬するリアルタイムプラントシミュレータを開発した.これを用いると市販のコントローラとの比較も可能になり,現在この実験を遂行中である.
|