研究概要 |
本年度は,(1)制約データベースのパラダイムに多大な影響を及ぼした制約論理プログラミングの最新の研究動向調査,(2)制約データベースと空間データベースとの関わりについての検討,(3)制約問合せ言語と演繹オブジェクト指向言語との関係についての検討,(4)制約データベースのグラフィカルインタフェースの検討,(5)制約問合せ処理の最適化および高速化に関する基本検討を行った. (1)については,制約論理プログラミングで利用されている制約式の中で,どのような種類の制約式が制約データベースに採用されているかについて調査検討を行った. (2)については,空間データベースには,代数式やグラフ表現が多く導入されているが,グラフ表現に順序の概念が導入されていないことがわかった. (3)については,演繹データベースの部分に着目し,制約問合せを非再帰ルールで表現する方法を検討した.この,制約問合せは,調停に必要な2種類の部分木の選択,および部分木間の最小交差指示から構成される. (4)については,制約データベースの遠隔地からの利用も考慮し,制約問合せの際に有用な入力インタフェースおよび制約問合せ処理の結果を効果的に表示するために有用な出力インタフェースなどについて,Java等を用いて実現する方法の検討を行った.これは,ビジュアルデータベースの考え方とも一致するものと思われる. (5)については,計算時間のかかる部分木間の最小交差問題に着目し,確率的方法の導入について検討を進めている.例えば,遺伝的アルゴリズムにより,解く方法の検討を行っている.また,今後,並列処理の方法についてもさらに検討していく予定である.
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