研究概要 |
本年度は,(1)制約データベースに順序グラフを導入する方法の検討,(2)制約問合せ言語の演繹的観点からの検討,(3)制約データベースのグラフィカルインタフェースの設計と部分試作,(4)制約問合せ処理の最適化および高速化に関する概念設計を行った. (1)については,木構造データベースを階層グラフの特殊な場合とみなし,各階層に存在する節点集合を順序化した.木構造の一部である部分木を検索結果として表示する場合,枝の間に交差がないように順序化することは,見易さという観点がら重要である. (2)については,問合せ文を演繹的に表現する方法を検討した.特に,順序に関する制約表現が重要であることがわかった. (3)については,2種類の異種木構造データベースからの検索結果をビジュアルに表示するために,Java言語を用いたユーザインタフェースを設計しその一部分を試作した.これにより,2種類の部分木から構成される調停グラフの全体を眺めるのに大変有効であることがわかった. (4)については,制約問合せでは,調停グラフの交差を高速に減少させる手法の開発が重要であるという認識のもとに,すでに提案済みのクラスタ交換法に遺伝的アルゴリズムを導入する方法について検討を開始した.
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