研究概要 |
最終年度である本年度は,調停グラフにおける交差数減少処理の計算時間を短縮するために,今まで検討が進められてきた深さ優先探索法に対して,(1)遺伝的アルゴリズム(GA)との関係についての検討,(2)遺伝的プログラミング(GP)との関係についての検討,(3)2つ以上の探索手法を組み合わせる方法の検討,(4)並列処理の可能性についての検討を行った. (1)については,深さ優先探索法により計算された近似解が悪い場合,その解からさらに最適な解を見つけるために遺伝的アルゴリズムによる探索手法を適用する方法を検討した. (2)については,各木構造の葉節点集合に適用した遺伝的アルゴリズムは,木構造を直接操作対象とする遺伝的プログラミングに似ているが,遺伝的プログラミングの節点名を変更する操作が不要であるという違いがあることが明らかになった. (3)については,両探索手法を組み合わせて使用する場合,遺伝的アルゴリズムによる探索手法を先に利用するよりも深さ優先探索法を先に利用する方がより短い時間で準最適解を見つけることができた. (4)については,深さ優先探索法の高速化に着目し,簡単な探索問題を8台のPCで分散並列処理をする方法について検討し,動的負荷分散方式の基礎技術を明らかにした.
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