研究概要 |
キーボード入力中心のコンピュータシステムが抱えるバリアを克服するために,音声発話によって対話を円滑に進めながら,必要な情報を取得する検索システムの研究開発について研究を行っている.本研究に必要な技術はa)ユーザの発話を正しく認識する音声認識処理,b)必要な情報を取得する検索処理,c)検索を円滑に進めるための対話処理,d)全ての処理で共用する大規模な辞書の構築,e)以上を統合し,システム化することである.平成13年度は,音声認識と情報検索を統合するための研究を中心に行った.具体的には,検索対象となるテキストコレクションを用いて,ユーザが発話すると想定される言語世界をモデル化し,統計的な音声認識手法に取り込んだ.また,現在の音声認識で認識できる語数には限度があるため,未知語問題が発生する.この問題に対処するために,検索対象テキストを用いて未知語を正しい語に補完する新しい音声入力検索手法を提案した.音声対話では,ユーザが持つ知識(常識)をシステムに導入する必要があるため,ワールドワイドウェブを用いて大規模な事典データベースを構築した.次年度以降は,当該辞典を用いて音声対話についても研究を進める予定である.
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