グループウェアとは、複数人による共同作業をコンピュータで支援するシステムである。課題の一つに、協調作業に関する情報のビジュアル表現がある。各作業者がそれぞれ自分のなすべき仕事と他人の状況を瞬時かつ的確に判断できるように最新の関連情報をビジュアル化する必要がある。本研究では、この問題を解決する方式の検討と、試作評価を目的としている。本年は、適用分野をビジネスプロセス管理に絞り、特にビジネスプロセスにおいて、スケジュール通りに進捗しない問題が発生した場合の対処を容易にするヒューマンインタフェースを試作した。具体的には、 1.問題の発生しているプロセス、および問題の発生している作業者に関する進捗状況、および他の仕事との関連状況を視覚的に表示する機能。 2.問題の発生した作業者に対して、管理者が視覚的に指示を与える機能 3.問題の発生したプロセスを管理しているエージェントに対して管理者が再スケジューリングを指示する機能 4.再スケジューリングの影響を推測する機能を試作した。 以上はビジネスプロセスの実稼働時に提供される機能であるが、これとは別に、プロセス設計時にその振舞をシミュレーションするツールについても開発を行っている。シミュレーション結果をデータベースに格納してさまざまな角度から分析することを特徴としており、これについても試作を行った。 以上が本年度の成果である。初年度であるので試作が中心で論文化は行われていない。次年度以降、開発・評価を進めるとともに論文化を行っていく。
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