グループウェアとは、複数人による共同作業をコンピュータで支援するシステムである。課題の一つに、協調作業に関する情報のビジュアル表現がある。各作業者がそれぞれ自分のなすべき仕事と他人の状況を瞬時かつ的確に判断できるように最新の関連情報をビジユアル化する必要がある。本研究では、この問題を解決する方式を検討し、試作評価する。方式検討においては、まず一般的な問題点について調査検討を行った後、例題アプリケーションヘのビジュアル化方式を検討する。設計したシステムは試作の後、実応用に供して評価する。評価の観点は、ビジュアル化された情報の分かりやすさ、実際に作業者の行動の選択に影響するか否か、などである。さらに、管理者が作業指示を迅速かつ的確に出せることも重要な評価観点である。 本年度は、アプリケーションとして機器の出張修理等を専門とするフィールドサービスマンの管理を、管理者・フィールドサービスマンとも携帯端末とパソコンを併用して行う方式についての検討と試作を行った。このようなアプリケーションでは管理者の判断に頼る部分とスケジューリング等自動的に行える部分があり、また携帯電話の画面が狭いという問題もある。自動化できる部分と管理者の判断に頼る部分を使い分けながら携帯電話で効率的に管理を行う方式を検討し、試作できた。具体的には、スケジュール調整、ワークフローの構築、事例ベース推論、ルールベース推論の機能を持った管理システムの試作を行った。
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