本研究では、大きく分けて三つの観点での研究を行った。 (1)協調活動の記録と管理 協調活動の記録と管理について特にデータモデルの面から検討した。 (2)ビジネスプロセスの管理とそのビジュアル化 協調活動のうち、実務的に重要なものとしてビジネスプロセスとワークフローシステムがある。我々は、従前より、ワークフローを自律エージェントで管理する方法について研究開発を行っており、そこにはシミュレーションや管理の枠組も含まれている。エージェントの使用により、たとえば遅れているプロセスを督促したり、不在の担当者に代わって作業する代理人を指名したり、個人のスケジュールとビジネスのスケジュールの調和を図ったりということが可能になる。管理者は、各作業者の作業進捗等の様子を、エージェントを介して管理する。特にビジネスプロセス管理の方法、管理のデータベース化、管理のビジュアル化について検討し、ソフトウェアの開発を行った。また、同一の仕組みをビジネスプロセスのみならず工場の生産プロセスに適用することも検討した。 (3)モバイルユーザの関与するビジネスプロセスの携帯電話による管理 ビジネスプロセス管理において、ビジネスマンは移動しながら仕事をする可能牲がある。特に営業担当者などは外で行動することが多い。そこで、デスクトップのパソコンではなく携帯電話を対象にした協調作業管理について、特にフィールドサービスという業種を対象に検討し、ソフトウェア試作を行った。管理者向けの携帯電話インタフェースについても検討した。
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