研究概要 |
今年度の主な成果は以下の通りである. 1.COMSOコードへの対応 尺八譜の情報処理システム内での尺八譜情報の表現方式を,前年度の研究成果であるCOMSO(COMmon representation language for Shakuhachi nOtation)コードに統一,それに伴い,プログラムの全面的な改訂を行った.これにより,譜字の表示,演奏,流派変更等の処理が容易に行えるようになった. 2.琴古流への対応 COMSOコードへの全面的な移行に伴い,新たに琴古流尺八譜も処理可能とした.これにより,本システムが対応している流派は,現行の2大流派である都山流と琴古流,および明暗流ほか各地の古典本曲譜を出版する竹保流の3つの流派を扱うことができるようになった. 3.共通音価表現の採用 尺八譜では流派により音価表記方法のパラダイムが大きく異なっているが,本システムでは五線譜での表記方法を取り入れた共通音価表現方法を考案した.これにより,流派によらず共通の音価の表記が可能となった. 4.印刷機能の強化 作成した譜の印刷時に,音価表示の有無,小節線枠の有無を指定できるようにした.これにより,流派固有の音価表記を印刷後に加筆するなど,使用者のニーズに合わせた柔軟な印刷出力を得ることが可能となった. 5.多様な入力方法 電子ペン等による手書き入力に加え,使用頻度の高い譜字に関しては譜字ボタンでの入力,また頻度の低い譜字はCOMSOコードによる入力を可能とするなど,様々な方法で譜字の入力を可能とした.
|