研究概要 |
デジタル社会におけるサイバー・コモンズの生成・発展に関して,社会情報システム学の観点から展開を図った.このため,インドネシアにおける農産物流通でのサプライチェーン・マネジメントのための情報システム導入に関する概念的設計,消費者間オンライン取引にける評判管理システムのモデル化,消費者行動における集中化現象に関する情報チャネル効果についてのエージェント・モデルの構築,モバイル・コミュニケーションにおける多様性の減少についてのモデル構築とシミュレーション等を行った. 本年度は,国際大会での研究発表を行うとともに,昨年度より継続して,海外での研究動向の調査や文献の探索・レビューに注力した.海外での研究発表に関しては,機会を得て,コミュニケーションに関するアジア太平洋地区の国際会議APCC2002(Asia Pacific Conference on Communications)での研究発表や,組織や社会に関するコンピュテーショナル・アプローチの国際的なワークショップであるCASOS(Computational Analysis of Social and Organizational Systems)での研究発表および研究動向調査を行った.さらに,機会を得て,システム学・情報学の国際的コンファレンスであるSCI2002(World Muliconference on Systemics, Cybernetics and Informatics 2002)においては,招待セッションで座長を務めるとともに,研究発表および研究動向調査を行った.また,文献的研究では,人工社会に関する論文を中心に,探索・レビューを行った. サイバー・コモンズに関するコンピュテーショナル・アプローチに基づいて,その生成・発展についての解明を行った.今後は,その社会情報学における位置づけを検討し,本課題を発展させる予定である.
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