今年度は、4年計画の最終年度として、これまでのMGMとSCM研究のまとめとともに、需給対応マネジメントの理論的体系の検討を行った。MGM研究の成果として、ペア行列表(戦略マップ)における楕円形理論があげられる。この楕円形は、収益最大値と費用最小値の2点からなり、利益最大点はその中間にあるとする。この理論は、ジョブ・ショップ企業やフレキシブル生産企業でも示された。SCM研究は、2連鎖MGMとしてのアプローチを続けてまとめた。 また、需給対応マネジメントの理論体系は、9月の秋田県立大学での国際会議における招待講演として発表された。そこで、経済性の楕円形理論の発展として、信頼性の楕円形も含めた楕円交叉理論が提出され、経営戦略理論、バランス・スコアカード(BSC)との対応が示された。これにより、ペア行列表はマネジメントのコンパスとしての利用価値が生まれた。 今年度の国際会議として、米国で開催された経営工学国際会議(ICPR'03)に参加して、2件の発表を行った。1件はSCM関係、もう1件は3センター・モデル関係であった。両方とも、ICPR編集号として、それぞれ国際的なIJPE誌、IJPR誌の候補論文として選択された。 研究成果としては、学術論文6編(印刷中3件)の他に、国際会議発表3件、国内学会発表6件、その他3件である。分野別では、需給マネジメント関係1件、MGM関係5件、SCM関係5件、需給計画関係4件、生産システム関係3件である。
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