公平性あるいは公正性に基づいた評価基準を重視すると仮定した場合、どのような議員定数配分方法を採用すべきか、あるいはそれに関連してどのような選挙制度を採用すべきか、といういわゆる議員定数配分問題(Apportionment problem)は200年以上もの間にわたって多くの研究者によって研究がなされてきた。しかしながら、この問題は未だに最終的な解決がはかられていない解決困難な問題である。本研究では、伝統的な議員定数配分方法である除数法をさらに一般化した方法を提起し、それに対して理論的展開と各種数値実験を行うことによって、他の伝統的除数法と不偏性に関する比較を行うための実証分析を行った結果を整理した。 一般に最適解を得るのが困難とされる最適施設配置問題を最短経路問題と関連づけることによって、ネットワークシステムの構造が特殊な場合には最適施設配置問題が最短経路問題の適用によって解決可能であることを示した。また実際の地方自治体における高齢者保健福祉施設配置問題を公共施設の最適配置問題として定式化し、数理モデル手法を用いたモデル分析を行った。なお地域間、利用者間の公平性をも考慮するために、実際の地方自治体における高齢者保健福祉サービスの地域間格差縮小化モデルを構築し、数理計画モデル分析を行った。 交通問題の数理モデル分析として、PSA手法による交通事故死者数推計と対策評価を行った。さらに鉄道軌道の最適保守計画作成のための数理計画モデルを構築し、実際の軌道保線区に適用し、モデル分析を行うことによってモデルの妥当性の検証を行った。
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