研究課題/領域番号 |
12680444
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会システム工学
|
研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
宍戸 栄徳 香川大学, 経済学部, 教授 (30109144)
|
研究分担者 |
郭 沛俊 香川大学, 経済学部, 助教授 (60325313)
曽 道智 香川大学, 経済学部, 助教授 (60284345)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
キーワード | コンフリクト / 仲裁 / 公平分割 / 可能性理論 / 不一致指数 / 繰り返し囚人のジレンマ |
研究概要 |
1.仲裁者の公平案についての不完備情報が離散分布であれば、FOA(Final-Offer Arbitration)、結合仲裁と我々のDOA(Double-Offer Arbitration)共に、純粋戦略ナッシュ均衡が存在しないこと、混合戦略ナッシュ均衡では、FOAのオファーが発散し、DOAのオファーが収束し、DOAが優れていることを示した。 2.無羨望公平分割のアルゴリズムは複雑で利用が困難である。近似解法を提示し、現実問題への適用可能性を高めた。 3.互いに部分的に矛盾している情報を、可能性線形計画法を用いて実行可能な共通部分を取り出して、上界と下界可能性分布で表した。 4.各専門家によって与えられたデータから各々の可能性分布を可能性測度に基づき同定し、彼らの知識を表現する。各可能性分布の違いが反映される不一致性指数を定義し、専門家たちの意見のばらつき具合を調べ、有力な意思決定者とそれ以外の意思決定者とを判別し、より整合性の高い意思決定グループを求める。不一致性指数に基づくコンフリクト解決モデルを提案し、新たな可能性分布を得る。複数の専門家の見解にコンフリクトがある場合のポートフォリオ選択問題に適用した。 5.意思決定者の間の協力関係について、繰り返し囚人のジレンマ・ゲームで手番が交互に行われノイズが入るという状況では、協力関係が維持できなくなるのはノイズの頻度よりその強さがより大きく影響することを示した。 6.コンフリクトの事例(香川県豊島の産業廃棄物処理問題)について経緯を紹介し、分析結果から解決方法を提示した。 7.理論的にはDOA仲裁はオファーが収束するが、現実には収束しないケースがあり得る。DOAとconventional arbitrationを結び付ける方法を提案し、オファーの収束性を維持したままで、収束しなくとも仲裁者の公平案を高い確率で仲裁結果にすることを可能とした。
|