研究概要 |
(モデルの特徴と経過) (1)これまでに開発してきたネットワーク型動的ハイパーゲームに基づいて,各ゲーム形式(利得行列,戦略集合)に関する学習過程を扱うためのモデルを複数定式化した。 (2)各モデルにおいて,認知の学習過程を遺伝的アルゴリズムによりシミュレーション分析した。 (3)これまでの結果を踏まえ,さらにエージェント指向の考え方を取り入れて,ハイパーゲーム型状況を本質的に包含する一般的な分配モデルに基づく組織のモデルを定式化した。 (4)新たな一般モデルを使って,エージェントの学習過程を限定された条件の下で遺伝的アルゴリズムを用いて分析した。 (研究成果) (1)これまでのネットワーク型動的ハイパーゲームに関する結果から,組織学習論で提唱されている2種類のループ学習を表現するレベルの違いを明確に区別することがモデル記述のレベルで可能となった。 (2)さらにこれまでのハイパーゲームに依拠したモデルを拡張,一般化し,分配モデルに基づく組織の基本モデルを新たに定式化することで,組織における2種類の学習レベルを明示的にモデルの中で表現することができるようになった。 (3)組織に関するエージェント指向モデリングの立場からの研究と完全に接続することが可能となった。 (4)本研究による基本モデルが,組織学習の全体モデルの中で,基本的学習モジュールを記述する位置にいることが明らかとなった。
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