研究概要 |
コンピュータによる自動時間割作成法において,遺伝的アルゴリズムやタブーサーチを含む,いわゆるメタヒューリスティックな手法についての方法論を整理し,システム制御情報学会誌において最近の成果を明らかにした.この種の時間割作成問題にGAなどの手法を適用する際には,ハード制約を満足させるために,遺伝的操作の後に補助的な操作が必須であることを明らかにした. 次に,学会などの時間割作成問題を精力的に扱ってきた.学会時間割作成問題において,論文をグルーピングしてセッションを構成する問題と,セッションをさらにグルーピングして学会プログラムを編成する,ハイブリッドな方法を考案し,特に,論文のグルーピングによるセッション構成問題に対する具体的な方法を論文によって提案した.まず,グルーピング問題においては,通常の遺伝的アルゴリズムを有意に適用することは困難であり,FalkenauerのGGAが有効であることを実証した.次に,GGAを学会の時間割編成問題に適用するためのエンコーディングやオペレーションの考察を行った.その際,論文ごとに数個あるキーワードを用いて類似性の高い論文をセッションに集めるという方法をとった. 数値例において,比較的単純に思いつくGAの適用と,この論文での提案によるGGAによる適用による性能の比較をおこなったところ,GGAにおいては,非常に少ない世代数で適応度が最適に近い値になることを確認した. こうやって作成したセッションの組み合わせによっては,同じ時間帯に別の場所で同一人物が発表を行うというハード制約に触れる時間割ができることもあるが,それについては,セッションの配置という次の段階での問題で解決をする予定である.
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