研究概要 |
・粘土焼成煉瓦を用いた枠組租積造壁体のより耐震的な補強法の提案を目的として,昨年度の実験に引き続き二次元と三次元の合計8体の壁体試験体を製作し一定鉛直軸力下で繰り返し水平加力実験を行った。その結果,中国で採用されている拘束柱と組積造壁体の間にU字形の補強筋を配筋する方法は,枠組み組積造壁体の耐震性能向上に有効であることがわかった。また,組積造壁体内に水平補強筋を配筋すると組積造壁体の水平耐力と変形性能の向上に有効であることがわかった。なお,作用鉛直軸力が壁体の耐震性能に及ぼす影響は今までの実験の範囲では見られないが,これについては今後追加実験を行う予定である。 ・空洞コンクリートブロックを用いた枠組組積造幣体において拘束柱の主筋量が壁体のせん断強度に及ぼす影響を把握する事を目的として,3体の壁体試験体を製作し水平加力実験を行った。その結果,拘束柱の主筋量はせん断ひび割れ強度にはあまり影響を与えないこと,枠粗組積造壁体のせん断強度の実験値は補強コンクリートブロック造耐力壁のせん断強度推定式で概ね評価できることなどがわかった。
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