宇宙線の加速機構と関係のあるフェルミ加速に関するモデル実験によってその基本的な性質を実験によって調べるとともに、静電ポテンシャルと荷電粒子の相互作用に関しても貢献することを目標としている。3年計画の最初の平成13年度において、平成12年度で行った電子加速が生じることを確認したモデル実験をもとに、より良い条件で実験を行うために真空排気系を整備し背景真空度を〜1×10^<-5>Torrから〜5×10^<-7>Tbrrに向上させた。これにより残留ガスの影響がほぼ無視できる状態で実験し、定性的に前年度の実験結果を確かめることができた。さらに、散逸、すなわちガスを真空容器内に導入し電子の中性粒子の衝突がある時の電子加速の様子を実験することができた。この実験条件でのフェルミ加速は、ガス圧の上昇とともに効率が減少するが、ほぼ1×10^<-3>Torr(平均自由行程が往復距離の数十倍)まで生じていることが分かった。 また、再現性を向上するために、電子源をタンタル線からLaB_6へと変更し、電子トラップの電極等の改良を行った。
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