宇宙プラズマや実験室プラズマでの重要な荷電粒子の加速機構としてフェルミ加速があるが、その性質を実験によって実際の条件下での振る舞いを調べることを目標に本研究を開始した。その主な成果をまとめると以下の二つに分類できる。 (1)モデルとなる実験系の考案。 磁力線に沿って一次元的に運動する電子を、ポテンシャル障壁によって往復運動させて閉じ込めるとともにポテンシャル障壁を振動させることによって電子加速が生じることを確認した。この実験系で必要な条件は、1×10^<-4>Pa以下の真空度、電子トラップと磁力線の精度(なす角)が5×10^<-3>以下であること等である。 (2)振動ポテンシャル障壁で電子が反射するときの振動ポテンシャルの共鳴現象の観測。 ポテンシャル障壁の空間的構造に関係した周波数で振動するときに、強い粒子加速が生じる。すなわち、ポテンシャル障壁がx<0でV=-V_0(x/s)^2かつx【greater than or similar】0でV=0であるならば、その共鳴周波数はf_0=2eV_0/(πms^2)となる。
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