研究概要 |
昨年までに、液体ヘリウム中に電子顕微鏡用のタングステン針電極を対向させ、パルス高電圧を印加して放電させた。アフターグロー期間中に発光する中性ヘリウム線スペクトルの時間・空間分解計測を行った。シュタルク幅と線強度比を測定して、密度10^<18>cm^<-3>以下、電子温度1万度以下の極低温プラズマを観測した。本研究は、2年間の予定でこの極低温プラズマのカスプ及びミラー磁場閉じ込め特性調べるのが目的である。 第一年度である今年は、閉じ込め用の超伝導磁場コイルを設計し、古河電工(株)に発注・製作した。12月末に納入されて現在試験測定中である。一対のソレノイド・コイルからなるスプリット形であって、つなぎ変えによりカスプまたはミラー磁場配位となる。最大強度2.5テスラであり、コイル外径6ミリ、内径20ミリ、コイル長さ40ミリである。最終年度である平成13年度には、磁界中でパルス放電を行わせ、極低温プラズマに対する磁場閉じ込めの効果を検出する実験を行う。発生する極低温プラズマは瞬間的に約10気圧になっており、それに対する磁気圧25気圧の効果を調べて行きたい。 次に、今年は加圧超流動液体ヘリウムを作るため、従来のガラス製クライオスタット(デュワ瓶)を改造して、従来の内層の中に更にガラス管を設けた。内側は1気圧の気体ヘリウムを導入した。外側には液体ヘリウムを満たし、メカニカル・ブースタ・ポンプで排気し減圧冷却した。その結果,内管に温度1.6度の加圧超流動液体ヘリウムが生成されていることが分かった。
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