1.CF_4ガスの電子サイクロトロン共鳴放電により磁化プラズマを発生させ、円板状障害物によりホロー状磁化プラズマを作る。すると、ホロー状磁化プラズマ内部にフッ素正負イオンが蓄積し、イオン-イオンプラズマが作られることが分かった。プローブ測定によると、負イオン密度/電子密度比が20以上に増大することが確認された。この現象は電子と負イオンの拡散現象の差により説明できる。つまり、径方向拡散においては、中性粒子との衝突によるラーモア半径ステップの径方向拡散が重要であるので、負イオンは大きなラーモア半径による大きな拡散係数が得られる。よって、円筒プラズマ内部には負イオンと正イオンが優先的に大きな拡散係数を持って流入してくる。一方、磁力線方向には、電子・イオンは自由な運動を行わが、両終端でのシースでの運動が異なる。ここでは、より温度の高い電子が選択的ににシース内に流れ、終端表面で中和される。一方、負イオンはシース壁を乗り越えることができないので、長時間の反射運動を繰り返し消滅が起こらない。以上の現象により円筒プラズマ内部に負イオンが蓄積される。 2.次にマルチホール型遮へい金属板を用いてCF_4ガスによるマルチストリングプラズマを発生させた。この場合、ストリングプラズマの周囲に負イオンが蓄積する。ここで、磁力線方向と垂直な断面でストリングプラズマの数を等間隔で多数発生させると、それだけ、大面積の負イオンを発生させることができる。ここでは、約30cm^2の断面積を持つ大面積の負イオン源を定常的に発生させることに成功した。負イオンビームとして用いる場合は、磁気フィルターによる完全均一な大面積のビーム発生が可能である。この方法により、大面積負イオンビームプロセスや中性粒子ビームプロセスが可能となる。 3.紫外パルスレーザーを用いた電子脱離作用により負イオンの測定が行えた。
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