研究概要 |
磁化プラズマにおけるスパイラル構造形成の理論的枠組みつくりを行い、マイクロ波生成プラズマで観測されているスパイラル構造の物理過程を同定した。電子サイクロトロン波で生成されたプラズマでは、電子が磁化されている条件のもとで、磁力線方向に逃げるが、イオンは大きなラーマー半径のため壁方向に逃げる。これによって生成されるポテンシャルがEXBドリフトを励起し、回転によってプラズマを閉じ込める。閉じ込められたプラズマの密度は壁に向かって減少するので、ドリフト波を励起するが、中性粒子との衝突により電荷分離を中和することが出来ずドリフト不安定を引き起こし、また、回転の遠心力によって重力不安定にもなっている。この不安定性によって励起された揺動がスパイラル構造を作って落ち着くことを示したのが次の論文である。 "Spiral Structures in Magnetized Rotating Plasmas",Phys.Rev.Letters 84,pp.4369-4372(2000) 次いで、同じECRプラズマにおいて観測されたホールに対する理論の構築を試み、回転数の大きいプラズマでは、遠心力と圧力によるバランスで、密度が中空の回転ホールが形成されることを示し、あわせて、多重極渦形成の条件を調べた。これらは次の論文にまとめられている。 "Stationary Potential Structures in ECR Plasmas",Proc.20^<th> Int.Symp.On the Physics of Ionized Gases(Zlatibor,Yugoslavia)pp.571-574(2000) 上記の仕事は不均一な流れの存在が、渦形成に本質的であることが示しており、渦形成の一般的性質であることを確かめるために、電磁揺動の構造化を調べたものが次の論文である。 "Electromagnetic vortices in streaming pair plasmas",Phys.Plasmas 7,pp.4872-4877(2000)
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