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2002 年度 実績報告書

リアルプラズマにおける渦励起と相互作用

研究課題

研究課題/領域番号 12680486
研究機関核融合科学研究所

研究代表者

田中 雅慶  核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (90163576)

研究分担者 吉村 信次  核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (50311204)
キーワードプラズマホール / バーガース渦 / 散逸性渦構造 / 速度ベクトル場 / 渦度 / 粘性 / 3極渦 / 反ExB回転
研究概要

本研究では、対称性の議論に基づいた方向性プローブ理論を開発し、磁化プラズマ中におけるプラズマ流速とプローブ電流の間の一般関係式を導いた。従来の研究では、磁化されたプラズマに対しては、磁場の影響によってプラズマ流速が正しく評価できないとされてきたが、検証実験によって新しい一般関係式の有効性を確認し、方向性プローブを用いた速度ベクトル場の実験的構成法を確立した。この手法を用いて、プラズマ中の任意の断面における速度ベクトル場から渦度分布を決定し、磁化プラズマ中に形成される渦とその速度場を調べた。
ヘリウムプラズマ中で、中心部に密度空洞を伴う渦(プラズマホール)が励起されるのを観測した。この密度ホールはきわめて急峻な勾配を有しており、イオンラーマー半径の4〜5倍程度の距離で密度が約1/10になるというものである。プラズマホールの速度ベクトル場は、単極の吸込み渦であること、また渦度は中心付近に局在していることなどが明らかになった。イオンに関する流体力学的な解析から渦度方程式を導出し、プラズマホールの渦度分布が散逸性の渦構造(バーガース渦)であることを明らかにした。この実験は、プラズマ中でバーガース渦を同定した初めての実験である。バーガース渦が観測されたということは、プラズマの粘性が無視できないことを意味しており、渦の大きさから算定された動粘性係数は古典的な計算値よりも4桁大きな異常粘性を示した。さらに、プラズマホールの中心部分の電荷準中性度は、通常のプラズマに比べて1000倍程度高くなっており、準中性条件の自発的破れを起こしていることを確認した。この事実と粘性異常との関連が注目される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] A.Okamoto: "Experimental observation of a tripolar vortex in a plasma"Physics of Plasmas. (in press). (2003)

  • [文献書誌] A.Okamoto: "Neutral Density Profile Determines the Vorticity of Ion Flow in a Charge Exchange-dominated Plasma"Journal of Plasma and Fusion Research. 78. 1143-1144 (2002)

  • [文献書誌] J.Vranjes: "Analytical Description of a Neutral-Induced Tripole Vortex in a Plasma"Physical Review Letters. 89. 265002-1-265002-4 (2002)

  • [文献書誌] K.Nagaoka: "Spontaneous formation of a plasma hole in a rotating magnetized plasma"Physical Review Letters. 89. 075001-1-075001-4 (2002)

  • [文献書誌] M.Y.Tanaka: "Spiral Pattern Formation in a Rotating Cylindrical Plasma"Journal of Plasma and Fusion Researches Series. Vol.4. 131-137 (2001)

  • [文献書誌] K.Nagaoka: "Plasma Flow Measurement Using Directional Langmuir Probe under Weakly Ion-Magnetized Conditions"Journal of the Physical Society of Japan. 70. 131-137 (2001)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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