研究課題/領域番号 |
12680491
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
乗松 孝好 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 助教授 (50135753)
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研究分担者 |
長井 圭治 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 助手 (30280803)
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キーワード | レーザー / 核融合 / 燃料ターゲット / インジェクション / 金属蒸気 / 吸着 / 軌道 |
研究概要 |
レーザー核融合概念炉「光陽」では内面を液体金属で保護した半径5m程度の炉の中に周期的に燃料ペレットを投入し、レーザーを照射し、核融合反応に導く。レーザー照射直後、発生したエネルギーにより、炉の中の温度は数百Torrまで急速に上昇し、その後、壁に凝縮して圧力は低下する。このとき、次のペレットを投入するまでに内部の圧力はクライオターゲットの性能や投入されたペレットの軌道が大きく影響されないように十分下がっていなければならない。残留蒸気のペレットへの影響はレーザー核融合炉の照射繰り返しを左右する重要な条件であるにも関わらず、十分な研究が行われていない。 ペレットへの吸着影響には1)ペレットの投入後の軌道に対する影響、2)残留蒸気がクライオターゲット表面に吸着することにより、固体燃料層が融ける問題、3)不均一に凝集し、レーザー核融合の重要な条件である燃料ターゲットの球対称性を損なう問題などがある。 これらの課題を明らかにするには1)に関しては鉛蒸気の粘度のデータが必要であるが、現時点ではデータベース上で発見できなかった。2)3)に関しては吸着係数を明らかにする必要がある。一般に高温の原子がクライオパネルに衝突しても一部は運動エネルギーを失いきらず、再び気相に戻ることが知られている。気体分子については理論、実験データがあるが、金属蒸気については実験データが不足している。 本研究は主に、3)を明らかにするべく金属蒸気中に球ペレットを投入し、その球面上での厚さ分布を明らかにする。 平成12年度は圧縮空気を利用した射出装置とレーザーを使った位置、速度同時検出システムを製作し、必要な信号データをとることに成功した。また、影響に対するモデルを作り、数値的な検討を行った。
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