研究概要 |
逆バイアスシータピンチ法を用いたオブレートな磁場反転配位(FRC)プラズマの生成法の確立がなされた。閉じこめ磁場のミラー比と磁気インデックスの増加が必要なことがわかった。この方法で、ミラー比2,磁気インデックス0.3で楕円率2.5のFRCプラズマが生成される。磁気インデックスやミラー比は、径方向圧縮や軸方向収縮の強度を決めていることがわかった。 オブレートなFRCプラズマや移送FRCプラズマで問題となるn=1モードの運動の研究が行われた。 多極磁場によるn=1モード運動の安定化法が確立された。n=1モードに対する安定化に必要な磁場は、n=2モード回転不安定性の安定化に必要な磁場よりも若干大きく、n=1モードが安定化できれば、n=2モードは十分に安定化できることが実験的に明らかにされた。この磁場は,閉じこめ磁場の約15%程度である。 この運動の観測のために、テータピンチコイルと放電管の間に入るように光検出器が小型化され、プリズムを使うことにより放電管全周から観測が可能となった。 生成時のプラズマ、磁場等の対称性がn=1モード運動の発生に関係することが分かった。逆バイアスシータピンチ法で使われるTearing生成法をNon-tearing生成法に変えることで運動を小さくできることが分かった。安定化に必要な多極磁場の閾値のモデルがテータピンチコイルの導体効果を加え改良された。実験の再現性の範囲内で一致するようになった。逆バイアスシータピンチ法で生成される球状トーラスプラズマの巨視的運動を抑止することにおいても有効であることが分かった。 FRCのポロイダル断面形状を決める方法が検討された。放電管表面の磁束の分布を一巻きループにより計測する。この値を境界条件にして、反磁性信号から求まるプラズマ形状を初期値にして境界条件を満足するG-S方程式の解を繰り返し法により求めることにより断面形状を決める。モデル実験により測定誤差が評価された。 CCDカメラを用いたプラズマ断面形状を計測する技術が確立された。
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