研究概要 |
本研究の本年度(初年度)における主な研究活動は以下の通りである。 (1)アジア大陸方面から流入する黄砂粒子および大気汚染起源の微粒子の大気光学的動態を解析するために,2000年当初から天候を観察しながら,本研究室の光散乱式粒子測定器(OPC)を用いて,大気中のエアロゾルの濃度をモニターし,顕著な黄砂現象のデータが6例得られたので,気象衛星ひまわり画像,長崎海洋気象台の地上気象観測記録などを併用して解析を行った。それらの解析結果を論文として報告するために,図表類や原稿を作成中である。 (2)2000年8月に待望の最新鋭型のスカイラジオメーターが入荷したので,本学部屋上に設置し直ちに観測を開始した。黄砂の季節は終了していたか,連続的な観測によって長崎地方の夏〜秋〜冬の良質のバックグランドデータが得られた。それらのデータは,研究分担者の森山雅樹助教授と分担して解析を行っている。筆者はおもにOPCとの関連性から,森山は衛星情報との関連性に焦点を当てて解析中である。 (3)2000年9月に国立環境研究所高層大気研究室から,大気エアロゾルの鉛直分布に関するレーザーレーダー観測の共同研究計画の提案があり,本研究課題にも有益であると判断し,国立環境研究所のレーザーレーダー装置を長崎大学に設置することなった。設置までには若干の事務上の協議や交渉を必要としたが,2001年2月に長崎大学構内への設置が実現したので,大気エアロゾルの鉛直構造に関する連続観測も可能となった。このような状況を有効に活用して,来年度(2年目)の研究を強力に推進したいと考えている。
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