研究概要 |
本研究の成果は以下の様にまとめることができる。 (1)POLDER画像データに複数の観測角条件を考慮した3つの異なる手法(単バンド反射率・偏光度手法,2バンド反射率手法及び2バンド偏光度手法)を適用しエアロゾルの複素屈折率の実部Nr,光学的厚さτ_<500>及びオングストローム指数αの同時推定を実施した。 (2)同期観測した検証データなどを用いて解析した結果,反射率と偏光度の情報を同時に使用する単バンド反射率・偏光度手法(RP-Method)が最も良いエアロゾルの光学的パラメータの推定結果を与えることを示すことに成功した。また,単バンド反射率・偏光度手法では670nmバンドを用いて推定した方が865nmバンドを用いるものよりも良い推定結果を与えることが分かった。 (3)670nmバンドの反射率・偏光度手法を用いて,日本海及び太平洋西域の海洋上空におけるエアロゾルの複素屈折率の実部,光学的厚さ及びオングストローム指数のパラメータ推定を行い分布図を作成した。特に、エアロゾルの複素屈折率の実部の推定分布図の提示は本研究が最初である。 (4)今後、複素屈折率の虚部を持つ吸収性エアロゾルを含めた光学パラメータの推定手法について研究する必要があると考えている。これにより、人為起源エアロゾルの衛星データからの抽出研究を進展させる計画である。
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