研究概要 |
(1)POLDER画像データに観測角条件を考慮した3手法(単バンド反射率・偏光度手法,2バンド反射率手法及び2バンド偏光度手法)を適用しエアロゾルの複素屈折率の実部Nr,光学的厚さτ_<500>及びオングストローム指数αの同時推定する手法を開発した。 (2)同期観測した検証データなどを用いて解析した結果,反射率と偏光度の情報を同時に使用する単バンド反射率・偏光度手法(RP-Method)が最も良いエアロゾルの光学的パラメータの推定結果を与えることを示すことに成功した。 (3)単バンドの反射率・偏光度手法を用いて,日本海及び太平洋西域の海洋上空におけるエアロゾルの複素屈折率の実部,光学的厚さ及びオングストローム指数のパラメータ推定を行い分布図を作成した。特に、エアロゾルの複素屈折率の実部の推定分布図の提示は本研究が最初である。 (4)1997年4月1日-31日の毎日のインド洋から西太平洋にかけてのPOLDERパスデータの解析を実施し、インド及びアジア全域の4月における週間平均、月間平均のエアロゾル分布の動態を明らかにした。4月の日本付近には中国大陸から飛来する人為起源のエアロゾルの光学特性を示す屈折率Nr=1.4-1.5、粒径の小さいα=1.0-1.5の分布が顕著であった。同様の光学特性を持つエアロゾル分布は香港付近、インド西海岸域にも見られた。
|