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2001 年度 実績報告書

突然変異誘発にかかわる遺伝子の欠損細胞株樹立とそれを用いた突然変異機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 12680542
研究機関大阪府立大学

研究代表者

八木 孝司  大阪府立大学, 先端科学研究所, 教授 (80182301)

研究分担者 武田 俊一  京都大学, 医学研究科, 教授 (60188191)
キーワード突然変異 / DNA損傷 / DNAポリメラーゼ / DNA付加体 / 環境変異原
研究概要

突然変異誘発にかかわる数種類のDNAポリメラーゼがヒト細胞や大腸菌において見いだされた。突然変異誘発に対するこれらDNAポリメラーゼの役割、損傷の種類と各ポリメラーゼとの対応を明らかにすることが本研究の第一の目的である。さらに種々の変異原によるDNA損傷がこれらのポリメラーゼの働きでどのような突然変異となるかを調べることが第二の目的である。
導入遺伝子と内在遺伝子との間で高頻度に相同組換えを起こすことが知られるニワトリDT40細胞を用いて、突然変異にかかわる遺伝子をノックアウトさせることを目的に、ニワトリRev3遺伝子を単離した。また突然変異アッセイのためのhprt(+/-)ヘテロ接合体株を樹立した。さらにDNA除去修復にかかわるXPA遺伝子ノックアウト細胞を樹立した。現在これらの細胞の性質を調べている。
環境中の多環芳香族炭化水素の1つである3-ニトロベンツアントロンのグアニン付加体をベータガラクトシダーゼ遺伝子に1つだけ挿入したプラスミドを作成し、大腸菌で複製させて突然変異の種類を調べるアッセイ系を構築した。その結果、野生株大腸菌ではグアニン付加体の対面にはチミンが挿入されることがわかった。今後、突然変異にかかわる遺伝子を欠失させた変異大腸菌で研究を行い、各種DNAポリメラーゼの役割を明らかにしたい。
ベンゼンの代謝産物であるハイドロキノンはNADH、2価金属イオン存在下で欠失突然変異およびG : C→T : A塩基置換突然変異を起こしやすいことがわかった。そのような条件下では発生したヒドロキシラジカルがDNA損傷を起こし、それがDNA鎖切断へとつながるものと推測された。また8ヒドロキシグアニンが生じることも確認しこれが塩基置換へつながると推測された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 八木孝司: "DT40細胞株で致死的変異を導入したコンディショナルミュータントをつくる"実験医学. 18. 67-73 (2000)

  • [文献書誌] Otoshi Eriko: "Respective roles of cyclobutane pyrimidine dimers, (6-4) photoproducts and minor photoproducts in UV mutagenesis of repair deficient xeroderma pigmentosum cell"Cancer Research. 60. 1729-1735 (2000)

  • [文献書誌] Kawanishi Masanobu: "Postlabelling analysis of DNA adducts formed in human hepatoma cells treated with 3-nitrobenzanthrone"Mutation Research. 470. 133-139 (2000)

  • [文献書誌] Nakayama Aki: "Comparison of the mutations induced by p-benzoquinone, a benzene metabolite, in human and mouse cells"Mutation Research. 470. 147-153 (2000)

  • [文献書誌] 中山亜紀: "ベンゼン代謝生成物による染色体異常誘発リスクの評価"放射線生物研究. 36巻2号. 120-135 (2001)

  • [文献書誌] 八木孝司: "クローズアップ実験法1999-2001"葛西文明((株)羊土社)(印刷中). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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