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2002 年度 実績報告書

内分泌攪乱物質が高脂血症発症に果たす役割に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12680557
研究機関愛媛県立医療技術短期大学

研究代表者

升野 博志  愛媛県立医療技術短期大学, 臨床検査学科, 助教授 (20116974)

キーワードノニルフェノール / ビスフェノールA / 3T3-L1脂肪細胞 / リポ蛋白リパーゼ / 脂肪細胞形成促進 / ICI 182,780 / aP2
研究概要

1.リポ蛋白リパーゼ(LPL)は血中での中性脂肪の分解に中心的な役割を果たしている。このLPLの発現に及ぼすノニルフェノール(NP)の影響を、3T3-L1脂肪細胞を用いて検討した。3T3-L1前駆脂肪細胞を定法通りホルモン混合物で脂肪細胞に分化させ、インスリン(INS)単独あるいはINSとNP共存下で培養し、LPL mRNAの発現量とLPL活性を測定した。INSとNP共存下ではINS単独の場合に比べLPL mRNA量は低下し、LPL活性もNPの用量に依存して低下した。このように、NPは脂肪細胞でのLPLの発現を低下させる作用を有していることが明らかになった。エストロゲン受容体のアンタゴニストとして知られているICI 182,780を添加しても、NPによるLPL活性の低下を阻止することはできなかった。この結果は、NPによるLPLの発現低下は、エストロゲン受容体を介していないということを示している。以上の成績は、現在投稿中である。ビスフェノールA(BPA)も同様の作用を持っていたが、その作用はNPに比べて著しく低かった。
2.ホルモン混合物で分化させた3T3-L1脂肪細胞を、BPA及びその類似物存在下で培養し、細胞内の中性脂肪(TG)量とLPL及びadipocyte-specific fatty acid binding protein (aP2)のmRNA量を測定した。BPAは、用量に依存してTG量を増加させ、LPL及びaP2のmRNA量も増加させた。これらのことは、BPAは、脂肪細胞形成促進作用を有していることを示している。ICI 182,780を用いた実験で、BPAによる脂肪細胞形成促進はエストロゲン受容体を介していないということが明らかになった。ビスフェノールB(BPB)、ビスフェノールE(BPE)、ビスフェノールF(BPF)も、BPAと同様の作用を有していたが、BPBの活性が最も高く、残りの3種類はほぼ同程度の活性であった。以上の結果は、現在投稿準備中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Hiroshi Masuno: "Bisphenol A in combination with insulin can accelerate the conversion of 3T3-L1 fibroblasts to adipocytes"Journal of Lipid Research. 43. 676-684 (2002)

  • [文献書誌] Masako Yamaguchi: "The hormonal responses of lipoprotein lipase activity and lipolysis in adipose tissue differ depending on the stage of the estrous cycle in female rats"International Journal of Obesity. 26. 610-617 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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